中小企業診断士が語る!知れば得するノウハウ集

松平竹央(中小企業診断士)

皆さま、こんにちは。一般社団法人城西コンサルタントグループ(JCG)の松平と申します。

この度、JCGでは「中小企業診断士が語る!知れば得するノウハウ集」と題したコラムを執筆させて頂くことになりました。

本コラムでは、補助金・助成金や人材育成などに関するテーマを採り上げ、住宅関連事業者の皆さまの経営課題の解決に資する情報やノウハウについてお伝えして参ります。

Vol.1 「住スタイルTOKYO/住宅ビジネスフェア」の出展に使える補助金・助成金

今回(第1回)は、日本最大級の住宅フェアである「住宅ビジネスフェア2016」への出展を検討しているA社のケースを想定した補助金・助成金の活用方法についてご紹介します。
そもそも補助金・助成金とはどのようなものであるかといった事項につきましては、本コラムの次回にて詳しくご紹介します。

A社は、東京都内にある住宅用の内装建材を扱う企業です。
A社では、「住宅ビジネスフェア2016」への出展費用の一部を賄うため、東京都の平成27年度の「市場開拓助成事業」という助成金を申請し、審査にパスしています。
補助金・助成金の募集が始まりますと、所管元のWebには「公募要項」や「応募要項」といった名称の書類が公開されます。この書類は、その補助金・助成金の支給目的、補助(助成)金額、申請資格や申請方法等についての説明が記載されたものです。
2015年度(平成27年度)の「市場開拓助成事業」の「応募要項」によれば、この助成金の概要は以下のとおりです。

表1 東京都「市場開拓助成事業」(平成27年度)の概要
対象者(申請要件) 東京都内の中小企業者等であって、所定の条件を満たすこと
事業内容 助成対象商品の販路開拓のために、国内外の展示会等への出展小間料、出展に付随する経費及び新聞・雑誌等による広告費の一部を助成する
助成対象期間 平成27年4月1日から最長平成28年6月30日まで
助成限度額 300万円
助成率 助成対象と認められる経費の1/2以内
申請書類提出希望日申込期間 平成27年1月22日~2月12日

A社では、「住宅ビジネスフェア2016」における展示スペースを2小間と想定しています。A社は本展示会への出展に伴い、販促資料を充実させ、広告も積極的に行うとした出展企画を立てました。出展に伴う費用を見積もったところ、助成対象と認められる経費の総額は約150万円となりました。「市場開拓助成事業」の助成率は2分の1以内ですので、A社では約75万円をこの助成金で賄うことができる予定となっています(図1)。

図1 A社の展示会出展費と負担額

A社の負担額

次に、「市場開拓助成事業」の申請と「住宅ビジネスフェア2016」への出展のために、A社はどのような計画を立てて準備を行ってきたのかについて述べます。

一般的に、展示会の出展申込は会期の数ケ月前には締め切られます。ちなみに「住宅ビジネスフェア2016」の場合、2015年6月より第一次出展申込の受付が開始され、11月13日がその締切日となっています。展示スペースがなくなり次第、募集締切となるとのことです。11月14日より第二次出展申込の受付が開始されます。そして、展示会期は2016年5月26日(木)から29日(日)までの4日間です。
出展申込をする時点で助成金が支給されることを確かなものにしておくために、A社では2014年9月上旬に「市場開拓助成事業」の申請の準備に着手しました。(図2)。

図2 助成金申請と「住スタイル TOKYO 2016」出展のスケジュール表

展示会開期までのスケジュール

なぜこれほど早くから準備をする必要があったのでしょうか?

理由は大きく、2つあります。理由の1つめは、「市場開拓助成事業」という助成金の募集期間や助成対象期間によるものです。この助成金で展示会出展費を賄うためには、契約、出展、支払の時期が「応募要項」で定める諸条件を満たしていることが必要になります。図2で示しますように、A社は2015年2月に助成金の申請をし、4月下旬に審査にパスして助成対象者として採択されました。そして2015年6月に「住スタイル TOKYO 2016」の出展申込をしました。その結果、出展申込から会期後のフォローアップ活動の期間までがちょうどこの助成金の助成対象期間に収まることになりました。

理由の2つめは、この助成金に申請するための「申請資格」を得るためです。この申請者資格を得るための手段はいくつかありますが、A社は「経営革新計画」の認定を得ることで申請資格を確保しました。そのための期間に約4ケ月を要しました。

なお、助成金の申請書類には、何を目的として、いつ何を行い、いくらの経費がかかるのかについて、具体的かつ詳細に記載しなければなりません。このためA社では、申請資格の確保と並行して出展企画をしっかりと練っておきました。

ここで紹介しました東京都の「市場開拓助成事業」が来年度も実施されるとすれば、今年度(平成27年度)と似たような条件になることが予想されます。
もしも本コラムの読者の方が東京都の事業者の方で、来年度の「市場開拓助成事業」の申請をご検討されるようでしたら、早めに準備に着手されますことを強くお勧め致します。特に「申請資格」にはご注意下さい。

ところで、展示会の出展費用を賄うことができる補助金・助成金には、どのようなものがあるのでしょうか。いくつかを表2にリストアップしました。

ここに挙げた補助金・助成金は全て中小事業者を対象としたものです。

通常は申請しただけでは支給の決定は行われず、申請書類の審査や面接による審査が行われます。審査にパスした事業者が補助金・助成金の支給対象者として採択されます。
助成率は2分の1から3分の2程度のものが多いようです。助成率が3分の2ということは、事業者の負担が3分の1で済むことになります。助成率の高いものは、人気も高く、審査にパスするための難易度が高くなるといえます。

表2 展示会出展に利用できる補助金・助成金の例 (平成27年)
名称 管轄 助成限度額 助成率 応募期限
創業補助金 200万円 2/3 1回目:3月31日
2回目:5月8日
小規模事業者持続化補助金 50万円 2/3 1回目:3月27日
2回目:5月27日
展示会等出展支援助成事業 東京都 100万円 2/3 助成金予算終了まで
市場開拓助成事業 東京都 300万円 1/2 2月23日
国内・海外展示会出展支援 品川区 50万円 2/3 11月30日
中小企業展示会等出展支援補助金 新宿区 10万円 2/3 9月30日
チャレンジショップ・展示会出展補助事業 さいたま市 5万円 1/3 8月20日以降、
予算終了まで

さて、本コラムの第1回では、補助金・助成金を活用して販促活動を行うということはどのようなものか、全体的なイメージをつかんで頂くための事項をお伝えしました。
次回は、そもそも補助金・助成金とはいかなるものであるか、メリットや留意点などについてお伝えいたします。

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