中小企業診断士が語る!知れば得するノウハウ集

松平竹央(中小企業診断士)

一般社団法人城西コンサルタントグループ(JCG)の滝沢と申します。前回は、「住スタイルTOKYO/住宅ビジネスフェア」の出展に使える補助金・助成金と題して、「住宅ビジネスフェア2016」への出展を検討しているA社の事例をお伝えしました。

今回はそもそも補助金・助成金とはどんなものなのか、その基本やメリット、活用上の留意点等をお伝えします 。

Vol.2 会社の成長のために補助金・助成金を上手に活用する方法

あなたの会社では補助金・助成金を上手に活用しているでしょうか? 確かに『補助金』や『助成金』という言葉はよく聞くけど、どうやって活用するのかよくわからない、申請方法はどうするの? などといった声や相談をよく受けます。そういった企業経営者やご担当者のために、補助金・助成金についての知っておきたい基本をQ&Aの形でわかりやすく説明します。

補助金・助成金とは?

一言で述べますと、色々な事業活動をサポートするための” 融資や出資金と違い返済しなくても済むことがメリット”のお金です。その財源の多くは、「税金」であることを知っておく必要があります。

従って、税金である補助金・助成金を上手に活用し、自社の成長を 促進させ、経済全体を好循環のサイクルにもっていくことが期待されているといえます。

補助金と助成金の違いは?

補助金・助成金という言葉の定義は厳密なものではありません。大まかには、経済産業省や農水省が支給するものは「補助金」、厚労省が支給するものは「助成金」と呼ばれることが多く、自治体などでは補助金と助成金のどちらで呼ぶかはまちまちです。

補助金・助成金は何のために支給されるか?

補助金・助成金には、支給目的が明確に定められています。例えば研究開発や新商品・新製品開発を支援するもの、販売促進や販路開拓活動を支援するもの、海外事業展開を支援するもの、設備投資や省エネ活動を促すもの、人材確保や人材育成を支援するものなど、です。

図1 事業フェーズ別各種補助金・助成金の例示

事業フェーズ別各種補助金・助成金の例示

どれくらいの金額が支給されるのか?

大型の補助金・助成金には、大企業が使うことを想定したものもありますが、多くの補助金・助成金は中小企業や小規模事業者が対象となっています。中小企業を対象としたものでも、10万円程度から数千万円程度のものまで様々です。例えば、「ものづくり補助金」の場合では、補助金の上限額が1,000万円、補助率が3分の2と記載されています。補助金の上限額とは、受給できる最大の金額のことです。また、補助率とは、補助金事業対象経費の総額に対して補助金を受給する割合のことを言います。従って、上限一杯の補助金を受給する場合、1,500万円の事業規模の対象経費を計上することができます。

誰が使っているのか?

皆様のライバル企業が補助金・助成金を上手に使っているかもしれません。あるいは、皆様のお客様が補助金・助成金を使って皆様の企業の製品やサービスのご利用を検討しているかもしれません。「元気なモノ作り中小企業300社」や「グローバル・ニッチトップ企業100選」といった良好な経営をしていると認定や表彰されている企業では、補助金・助成金を上手に活用しているところが少なくありません。

どんな種類があるのか?

例えば、中小企業・小規模事業者を対象とした補助金・助成金には、創業補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金などがあり、補助率が3分の2(すなわち自己負担率が3分の1)と高いため、これらはとても人気のある補助金です。

住宅ビジネス関連の補助金としては、省エネ住宅ポイント制度、ZEN(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)、地域型住宅グリーン化、エネファームなどの業界特有の制度に基づく補助金など以下のようなものがあります。(ただし、今年度の応募は終了しているものが多いです) 詳しくは、「中小企業ビジネス支援サイト(J-NET21)」 などの補助金・助成金サイトを参考にしてください。

表1 住宅ビジネス関連の補助金例
補助金の名称 概 要
長期優良リフォーム 補助金 最大200万円、長期優良住宅化リフォーム推進事業
ゼロエネ住宅補助金 130万円、ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業
省エネリフォーム補助金 150万円、高性能建材導入促進補助金
長期優良・低炭素住宅補助金 100万円、地域型住宅グリーン化事業
エネファーム設置補助金 最大新築35万円/台・既築40万円/台、民生用燃料電池導入支援事業
その他 他にも色々な事業の補助金があります

住宅ビジネス関連の補助金の例として、国土交通省の「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」があります。この事業の場合の補助率等は以下のとおりです。(詳しくは関連HP参照)

<住 宅>
新築1/10(上限:100万円/戸) 改修1/3(上限:100万円/戸)
<高齢者生活支援施設>
新築1/10(上限:1,000万円/施設) 改修1/3(上限:1,000万円/施設)

補助金について

申請はどのようにするのか?

補助金・助成金には、応募の期間が定められていたり、予算枠に達したら募集が終了するものがほとんどです。補助金・助成金を獲得するには、希望する補助金・助成金の公募情報に対してアンテナを高くして、申請のチャンスを逃さないようにすることが大切です。

応募申請の際は公募要領等をよく読んで、対象となる経費を把握するとともに、補助金・助成金の事業期間内に事業が終了するかどうか(事業期間外の経費は認められません)など、公募要領にそった申請書を作成することが重要です。

申請~審査はどんな形で進められるのか?

申請書の書き方は、公募要領に記載例が掲載されている場合が多いので参考にしましょう。公募要領には、「新規性」「実現性」「事業効果」などの審査の視点が記載されています。申請書の記載にあたってはその観点を逃さないよう記載します。審査は、補助金・助成金の種類によって異なりますが、一次審査(書類審査)、二次審査(面接審査)などで行われます。採択結果は、審査後通知されます。

申請手続きは、誰かに手伝ってもらえるのか?

金額の大きい補助金・助成金は、人気があるために競争倍率が高くなるだけでなく、支給する側からもしっかりした事業計画書等の提出を求められる場合があります。このため、応募申請する補助金・助成金によっては、中小企業の認定支援機関や金融機関等の支援を受けて申請手続きを行うことも検討されるとよいでしょう。

 

今回は、補助金・助成金の基本について説明しました。もし、自分の会社でまだ、補助金・助成金を使ったことがないとしたら、上手に補助金・助成金を活用しているライバル企業に気づかないうちに成長力の面で差をつけられているかもしれません。

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