中小企業診断士が語る!知れば得するノウハウ集

松平 竹央

皆さま、こんにちは。一般社団法人城西コンサルタントグループ(JCG)の松平です。

今回(第6回)は、住宅関連事業者の方にとりましては、そのお客様に当たる方々にとって利用価値がある補助金を活かして自社の受注獲得につなげるための方法をご紹介します。
顧客向けの補助金の例として、省エネ関連の補助金を採り上げます。

Vol.6 顧客向けの補助金でビジネスチャンスを広げよう

平成28年の省エネ関連補助金
  補助金名称 所轄 募期間(1次公募)
1 中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業費補助金 経産省 平成28年3月22日~4月22日
2 住宅省エネリノベーション促進事業費補助金 経産省 戸建住宅・集合住宅(個人)
  平成28年3月31日~6月9日
集合住宅(全体)
  平成28年3月31日~4月28日
3 住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業 経産省 未定
「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業費補助金」の概要

住宅関連の事業を行っている方が、この「ものづくり補助金」をどのように活用しているのでしょうか?
昨年度の「ものづくり補助金」で採択された事業計画のうち、住宅に関連のあるテーマをいくつかご紹介します。

  1. 補助対象者要件(一部を抜粋)
    ・国内において事業活動を営んでいる法人及び個人事業主。
    ・原則、本事業により国内において設置する補助対象設備の所有者であること。
  2. 補助対象となる事業
    ・日本国内で既に事業活動を営んでいる既築の工場・事業場・店舗等(以下、「事業所」という。)
       において使用している設備を更新する事業であること
    ・既設設備を省エネルギー性の高い補助対象設備へ更新することにより、省エネルギー効果が
       得られる事業であること
  3. 補助率
    補助対象経費の3分の1以内
  4. 補助金限度額
    上限:1事業者あたりの補助金 1億円
    下限:1事業所あたりの補助金 50万円(中小企業者及び個人事業主の場合は30万円)
住宅省エネリノベーション促進事業費補助金」の概要
  1. 申請者資格(一部を抜粋)
    個人の所有者、管理組合等の代表者、個人・法人の所有者、所有を予定している個人
  2. 事業要件の例
    ・既築住宅等の改修において、原則、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録された
       高性能建材(ガラス・窓・断熱材)を導入し、住宅全体の一次エネルギー消費量の15%以上の
       削減が見込まれること。
    ・改修によるエネルギー計算結果は、「エネルギー計算結果早見表(公募要領に記載)」に従うこと。
    ・交付決定通知日以降に契約・工事着工すること。
  3. 補助対象となる製品
    ・住宅の省エネルギー改修(省エネリノベーション)に有効な高性能建材・設備として
       所定の要件を満たした製品であること。(例:ガラス、窓、断熱材、蓄電システム等)
    ・未使用品であること。
  4. 補助対象となる費用
    ・材料費(対象製品の購入費用)
    ・工事費(対象製品の設置取付と一体不可分の工事費用)
  5. 補助率
    補助対象費用の3分の1以内
  6. 上限額(高性能建材(ガラス・窓・断熱材)の場合)
    150万円/1戸

顧客向けの補助金で自社の受注獲得を目指すには?

「すまい給付金」など、分かりやすい補助金・助成金は、顧客自身も情報収集をしたり、利用について検討したりしていることでしょう。  
一方で「省エネ関連の補助金」のように利用するためには専門的な知見を要するものや、新しい制度のために利用方法があまり知られていない補助金・助成金は、顧客にとっては自力で利用することは難しいものになります。従いまして、こうした補助金・助成金に関して顧客に対して情報提供や利用するための適切な助言を行うことができる事業者であれば、そうした事業者は顧客にとって頼もしく、価値の高い事業者となるでしょう。

以下に、顧客向けの補助金の活用を促すなどして自社の受注獲得につなげるためのポイントを示します。

1. 早めに情報収集する

政府系の補助金・助成金であれば、予算の概算要求の内容などからも今後の補助金・助成金についてある程度の情報を得ることができます。いずれにしても、早い段階から関心を持って情報収集をして、競合に先んじて情報通になるように心掛けます。

2. 顧客の補助金申請の支援を行えるようになる

顧客にとっては、補助金を活用するにあたって申請方法が分からないことや煩雑に感じることは商品・サービスの購買を躊躇させる方向に働く心理的な障害となります。そこで、自社が顧客の補助金申請の支援や助言を適切に行えるようになることで、顧客の心理的障害を取り除き、購買を促すことができます。
また、競合する事業者との比較においても、補助金申請の支援ができることは顧客にとって利便性が高いものとなります。

先に紹介した「住宅省エネリノベーション促進事業費補助金」に関しては申請を第三者に依頼することが認められています。つまり、自社が顧客の補助金申請を代行することができ、相応の対価を得ることができるということです。

3. 顧客の購買行動プロセスを意識して情報提供を行う

すでに自社のWebサイトやブログなどを通じて、今回ご紹介している補助金の情報提供を行っている事業者も少なからずあります。例えば日本板硝子株式会社など大手企業では「住宅省エネリノベーション促進事業費補助金」の活用を提案するためのパンフレットを制作しているところがあります。
中小企業においては、Web活用を上手に行うことが肝要です。この際、顧客に対して効率的・効果的な受注活動を展開するためには、顧客が商品(サービス)を認知してから購買するまでの意思決定と行動のプロセスを理解することが重要です。

今回は、「アイシーズ(AISCEAS)」という購買行動プロセスをご紹介します。これは、顧客の購買行動プロセスが「Attention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Comparison(比較)→Examination(検討)→Action(購買)→Share(情報共有)」のように進行するとモデル化して、それぞれのプロセスにおいて顧客が自社の受注活動において好ましく意思決定・行動することを促すために、自社が顧客に対していつ何をどのように行うことが適切なのかを考えるのです。

プロセス プロセスの説明 自社が行うことの例
Attention
(注意)
商品の存在に気付く 補助金や商品に関する情報をWebサイトやブログに掲載する SEO対策をしっかりと行う メルマガ等の発信により、積極的な情報伝達を行う
Interest
(興味)
商品に興味を持つ Webサイトやブログ等を用いて
  • 紹介する補助金が顧客にとって利用価値があることを伝える
  • 顧客が補助金を活用しやすくするための情報を提供する
  • 補助金の対象商品の特長や顧客にとっての価値を伝える
Search
(検索)
商品や取扱店に関する情報をネットで収集する 単に価格競争に陥らないようにWebサイトやブログ等を用いて
  • 補助金の事業に該当する施工事例や施工提案に関する情報を ビジュアルに伝える
  • 親切な接客サービスをアピールする
  • 補助金申請支援が可能であることや実績を伝える
  • 「お客様の声」を伝える
Comparison
(比較)
価格等をネットで調査し、比較する
Examination
(検討)
商品や取扱店に関する評判(クチコミ)を参考にする
Action
(購買)
商品を購買する メールでの応答や店舗での面談において親切・丁寧な接客を行う
Share
(情報共有)
顧客自身の評価をブログやSNSに投稿する SNS(FacebookやTwitter)で情報発信し、顧客のクチコミを促す 施工過程を写真や動画として記録し、顧客の声を交えて発信する
4. 閲覧されやすくする

Webを通じて情報提供をする場合、いわゆるSEO対策をしっかりと行うなどして、閲覧されやすくすることが極めて重要です。このためのいくつかのポイントを紹介します。

  1. 早い時期に掲載する
    Webサイトやブログにおいて早い時期に掲載することです。例えば補助金に関しては予算申請などがあった時点でトピックスとして採り上げておき、予算審議の状況に応じて掲載内容を更新します。補助金の公募が始まる前から検索上位に表示されるように努めます。
  2. 適切なキーワードを選定する
    補助金名称、自社の商圏となる地域名・地名、そして顧客にとって関心のあるキーワード、例えば「相談・費用・見積・申請・代行・実績・施工事例」などを盛り込みます。補助金の公募要領の内容は、経産省等への外部リンクだけにせず、自社のWebサイトやブログにおいても適切なキーワードをカバーするために紹介する補助金・助成金に関する概要を掲載しておくといいでしょう。 顧客が補助金を検索する場合、その年の補助金について知りたいわけですので、年(西暦と和暦)もキーワードして盛り込むといいでしょう。
  3. メディアを使い分ける
    ここでは、メディアとは自社Webサイト、ブログ、SNSのことを指します。時期によって変更する要素の少ない情報は自社Webサイトに、タイムリーに情報提供を行うことが重要なトピックスについてはブログに掲載するとよいでしょう。ただし、Web検索されやすくすることが重要です。このため、重要なキーワードは自社Webサイトとブログの両方に掲載するようにします。または、ブログにてしっかりとカバーし、自社Webサイトに誘導してもよいでしょう。 顧客のクチコミを促すためにはSNS(Facebook、Twitter、LINEなど)が有効ですが、SNSを通じて発信する情報は「商売っ気」を打ち出すと敬遠されてしまう嫌いがあります。このため、親近感を持って頂けるような内容・表現にするといいでしょう。

今回は、顧客向けの補助金として省エネ関連の補助金を紹介しましたが、本コラムの第3回で紹介しました、「小規模事業者持続化補助金」(応募締切:5月13日)も、皆さまと皆さまのお客さまが利用できるかも知れない補助金ですので、ご参考にして下さい。

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