中小企業診断士が語る!知れば得するノウハウ集

松平 竹央

皆さま、こんにちは。一般社団法人城西コンサルタントグループ(JCG)の松平です。

今回(第7回)は、プレスリリース、すなわち新聞や雑誌等のメディアを活用する方法をご紹介します。 5月26日~29日に「住スタイルTOKYO 2016」が開催されますが、展示会の直前期はプレスリリースを行うには絶好の時期です。

Vol.7 プレスリリースを上手に活用しよう

1.プレスリリースとは

プレスリリースとは、新聞、雑誌等のメディア関係者に対して自社の商品やサービス、イベント等の情報提供を行うことで、そうしたメディアに記事として採り上げてもらうことです。

プレスリリースは、広告宣伝と対比すると理解しやすいでしょう。
広告は、事業者(広告主)が「広告費」を支払った上でテレビや新聞、雑誌等のメディアを通じて自社が届けたいメッセージを忠実に届けるものです。
一方で、プレスリリースは、事業者がメディア企業の記者に情報提供を行うものです。メディア側がその情報に注目すれば報道や記事という形になって大衆に伝えられます。
メディア側が主体となって伝える情報となることで、一般大衆にとっては客観性・信頼性の高い情報として受け止められます。このため、プレスリリースは、上手に活用すれば販売促進活動を行う上で絶大な効果を発揮することがあります。

  広告宣伝 プレスリリース
目的 自社の商品やサービスの認知度アップ、受注拡大など
費用 有料 無料
メディアへの掲載 所定の料金を支払えば掲載してもらえる 掲載してもらえるとは限らない
メディアの選定 広告主が選択・指定する メディア側が選択・決定する
掲載される内容 広告主が選択・指定する 提供された情報をもとにメディア側が選択・編集したものが掲載される
情報の信頼性 信頼されない場合がある 信頼されやすい

私が関わった例をご紹介します。

A社は、自社の商品である焼き菓子を地元の名産品とすることを目指しています。以前、A社では地元のお菓子のコンテストに参加したところ、上位の成績で表彰されました。早速、そのことに関してプレスリリースを行いました。しかしながら、そのときはメディア側の反応はありませんでした。 その後、A社は地元の特産品である、玩具の形状をした焼き菓子の新商品を開発しました。その新商品は、玩具を製造するための本物の金型を使って焼き菓子を作ることなどの話題性があるものでした。A社がその新商品についてプレスリリースを行ったところ、地域の新聞だけでなく日本経済新聞等の主要新聞の地域版に一斉に掲載されました。さらにはNHKの取材を受け、テレビのニュース番組でも紹介されました。その結果として、A社にはその焼き菓子の発売開始直後から生産が追い付かないほどの注文が入りました。

2.プレスリリースの方法とプロセス

プレスリリースを行う主な目的は自社の商品やサービスの認知度を向上させ、受注拡大などにつなげることです。目的をしっかりと認識の上で、新事業を開始するとき、新商品・サービスを発売するときなどにプレスリリースを検討するといいでしょう。

プレスリリースを行う方法としては大きく、①メディア企業に直接情報提供する、②プレスリリース代行会社に依頼する、という2つがあります。
候補となるメディア企業としては、「住スタイルTOKYO 2016」に出展される事業者の方の場合、例えば新建ハウジングなどを挙げることができます。
プレスリリース代行会社に依頼する場合には、所定の手数料が必要になりますが、多くのメディア企業にプレスリリース原稿を発信してもらうことができます。プレスリリース代行サービスには、「@Press」、「PRTIMES」、「共同通信PRワイヤー」といったものがあります。

いずれの場合も、おおよそ次の図に示すようなプロセスで進めることになります。

3.メディアに採用してもらうには

事業者側が伝えたい情報と、メディア側が伝えたい情報とは多くの場合、一致するものではありません。自社の商品の特長、仕様などをカタログに示すような切り口で情報提供しても、メディア側が伝えたい情報にはならないと心得るべきです。
メディアに採用してもらうには、メディア企業側の視点に立ってメディア企業側が採用したくなるように内容や表現を工夫する必要があります。
一般論としては、①新規性があり、②話題性があり、③社会または業界へのインパクトが大きい情報であれば採用されやすくなります。メディア企業で記事を書くのも「人」ですので、感動すること、楽しいことといった感情に働きかけるような要素(情緒性)があれば、採用してもらうためのプラス材料となります。

例えば、私が関わった例として冒頭に示したA社のケースでは、メディアに採用されなかった事案(お菓子のコンテストでの表彰)と、採用された事案(玩具の形をした焼き菓子の新商品開発)とを比較した場合、後者の方が①新規性、②話題性、③社会的インパクト性、④情緒性のいずれも前者よりも後者の方が優れていたと考えています。「④情緒性」につきましては、開発の苦労話や協力してくれる方々との心温まるエピソードなどがプレスリリース原稿やWebサイト等を通じて情報提供されました。

具体的なプレスリリース原稿の作成方法は、奇をてらう必要はありません。メディア企業側の方には日々多くの情報が寄せられていますので、過剰な情報提供は敬遠される恐れがあります。
公表されている他社のプレスリリース原稿なども参考しながらA4用紙2枚程度に、①タイトル、②リード文(概要・キャッチコピー)、③本文・図・写真、④問合せ先を簡潔に整理して作成するとよいでしょう。

なお、中小企業の方がプレスリリースを行うに際しては、商工会や商工会議所などの中小企業支援機関がサポートしてくれる場合がありますので、準備に先立ってそうした機関に相談されるのもよいでしょう。

4.プレスリリースを受注獲得につなげるには

例えば飲食店や食品の商品の場合、メディアに記事として掲載されるだけで来店客や注文が殺到する場合があります。しかしながら、住宅産業業界ではそれほど単純なものではないはずです。
そこで、プレスリリースを他の販売促進手段と組み合わせて活用されることをお勧め致します。

プレスリリースで見込み客を展示会(「住スタイルTOKYO 2016」など)に誘導する

展示会において新商品・新サービスをお披露目する場合にお勧めの方法です。展示会の開催直前期にメディアに記事として掲載されるタイミングを見計らってプレスリリースを行います。プレスリリース原稿においては自社が出展する展示会にてその新商品・新サービスを展示する予定であることなども盛り込むといいでしょう。

Webプロモーションと組み合わせる

プレスリリース前に自社のWebサイトやブログ等で詳細な情報を発信してしまうと、メディア企業側にとっては前述の「①新規性」の要素が損なわれ、記事として採用することの魅力性を失ってしまう場合がありますので注意する必要があります。
プレスリリースを行った直後は、メディアの記者の方が記事として採用することを後押しするような補足情報を自社のWebサイトやブログ等で紹介しておきます。例えば、新商品の開発秘話や新商品を評価したユーザーの「驚きの声」といった情報です。
前述の「①新規性」が損なわれるという心配がなくなった頃をみて、プレスリリースを行った事実およびプレスリリース原稿の内容を自社のWebサイトやブログ等で紹介します。
さらに、実際に記事に掲載された場合は、いつ・どのメディアで紹介されたという事実も紹介するとよいでしょう。著作権に注意が必要ですが、可能であれば記事自体も紹介するようにします。
このように、プレスリリースはWebプロモーションと組み合わせることが受注獲得につなげるための有効な手段となりますが、Webで情報発信する時期が早くても遅くても有効性が失われてしまう点に注意が必要です。

チラシやパンフ等に紹介する

メディアで紹介されたという事実は、チラシやパンフにも掲載するとよいでしょう。メディアで紹介されたという事実は見込み客の方にとっては事業者が直接伝える情報よりも、客観性・信頼性の高い情報として評価されやすいためです。

さて、今回のコラムは、「住スタイルTOKYO 2016」の開催の直前・直後の時期に掲載されることを考え、展示会を成功に導くためにも有効な手段である「プレスリリース」について採り上げました。

なお、5月26日(木)14:40~16:00に、「住スタイルTOKYO 2016」の会場にて、「知って得する! 展示会や販売促進に使える補助金の活用術」と題した特別セミナーを行わせて頂く予定です。 次回以降の「住スタイルTOKYO 2016」への出展などを見据えておられる事業者の方に、本コラムにてこれまでにご紹介した補助金活用策などのエッセンスをお伝えしようと考えております。

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